教育改革の推進
健康管理
園医さんのワンポイントアドバイス
幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
園医さんのつぶやき 5月号 (その96)
園医のつぶやき その965月になりました。出勤されている方も、ご自宅でテレワークされておられる方も、皆様お疲れ様です。ご自宅でTV会議中にお子さんが乱入したりしていないでしょうか?
病院に勤めていた一昔前の事を思い出しましたので、少々お付き合い願います。
入院患者さんを受け入れている病院の病棟は、24時間365日切れ目なく仕事をしています。
GWは、病棟に入院している患者さんの容態が安定しているか?経過が思わしくなければ、遅れる事無く治療法の変更を行う必要があるので、基本的には出勤していました(医師の人数が多い病院ですと、前半と後半に分けて休みを取る事もありますが・・・)。受け持ちの患者さんを診察して回る=「回診」に伺い、枕元にあるテレビで「今日の成田空港は、○万人海外へ出国します」という放送をチラ見しながら、「お熱下がりましたね~。良かったですね。少しGW、近場で遊べそうですね」などと会話をしていました。
昨年の今頃、有名アスリートの方が御病気で入院されました。最短でも数か月は病院に缶詰めの状態であったでしょう。強力な治療をしている最中は起き上がる事も困難で窓からの景色を楽しむ余裕は無いですし、治療の合間に体力が少々改善しても免疫力が落ちている時は、病室から出る事もできなかったでしょう。
元気な時に自宅でじっとしているのは確かに苦痛ですが、長期入院をされている方々の辛さを想像してみるのも良いかもしれませんね。
昨年秋ごろは、「病院のベッドが余っている。無駄だ。整理しなさい!」という嵐が吹き荒れて、全国400か所以上の病院名が公表されました。野球に例えると、9人で試合はできるので、あとは要らん!みたいな発想です。確かに、常時空きベッドがある状態は色々な意味で良くないのですが、今回の様に非常時になりますと、通常診療で常に満床状態の病院に余力はなく、周辺の施設の空きベッドを探す事になります。
医療スタッフは、患者さんのケアを最優先しなければいけないのはもちろんです。しかし、日常と異なる業務を行い、ミスをしないように、さらに自分も感染しない様に細心の注意を払うのは、精神的にも肉体的にも相当負担がかかる日々が続きます。
コロナウイルス感染症で入院した場合、通常の肺炎治療の2~3倍の入院期間が必要となり、なかなかベッドが空かず、新規の入院患者さんの受け入れ場所が見当たらない状況になります。また人工呼吸器装着率も高く、ECMO(体外式膜型人工肺)まで装着しなければいけない患者さんもおられる様です。
幸い「今のところ」、お子さんは、成人患者さんとの濃厚接触で感染しているケースが報告されているのが主で、重症例の報告は殆どありません。
まだ残念ながら緩める時期ではない様ですが、お互いに優しい言葉をかけあって、5月も工夫をして乗り越えたいですね。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生