教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
3月 園医さんのつぶやき 「インフルエンザについて」
2月はインフルエンザが流行しましたね。特に今回のインフルエンザBは症状の立ち上がりが遅く(最初に37℃台、翌朝熱が一旦下がり夜に再び発熱、の様な経過)、検査でインフルエンザ陽性を証明できるのが、発熱し始めた日の翌日~翌々日という方が多い印象でした。感染された方が多かったのは残念でしたが、あまり重症化しなかったのは救いでした。時折、自己判断で抗インフルエンザ薬の使用(主としてタミフル)を止めて、解熱するのに時間がかかったり、咳がひどくなったりした方がおられました。過敏反応、例えば内服30~60分前後に、ひどい蕁麻疹が出た、息を吸う時に苦しくなり始めた、嘔吐した、などの症状がみられた場合は、中止や変更を考えなければいけませんが、そのような過敏症状がない時にお薬を中断するのは、あまり賢い選択ではありません。経過が思わしくない場合、服用についてご心配などある場合は、一度かかりつけ医に御相談下さい。
2月以降、花粉も飛び始めて辛いシーズンを迎えておられる方もおいでではないでしょうか?眠気の少ない抗アレルギー剤の開発や、ステロイド点鼻液の登場により、20年前に比べると治療の選択肢と質が増した印象です。しかし、煩わしいことには変わりはありませんね。以前から減感作療法(げんかんさりょうほう)は行われていたのですが、今年から、ベロの下にエキスを含ませて減感作を狙う、スギ花粉に対する舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)が保険適応になりそうです。花粉症はⅠ型アレルギーによって起こります。Ⅰ型アレルギーとは肥満細胞の表面に結合した2つのIgEに抗原(こうげん)が付着することにより、肥満細胞からヒスタミンが放出されます。花粉症の場合は、ヒスタミンによって鼻水が止まらなくなります。減感作療法が成功した場合は、IgEに抗原(スギ花粉など)が付着するのをブロックする抗体ができると想像されています。スギ花粉以外に複数の抗原に反応する方は、減感作療法の効果は期待しにくいと考えられています。治療が行える医療機関は、国からの承認・指定が必要になりそうで、詳細は今後の情報が待たれます。
早いもので卒業の季節となりました。日本は現在、政治・外交・経済・原発など、どれも悩ましい問題が山積しています。テレビやインターネットからの情報が非常に有益な場合もありますが、一方で先入観、感情的、調査不足に伴うと思われる偏り、誤った情報の垂れ流しも少なくないと感じます。防衛や主張も大切ですが、隣の国々と共存共栄するためには、どのように日本は生きて行かなければならないか?そういう考え方を持った子供さんが一人でも増える事を願っています。「みんなが行くからこっち」では将来が非常にあやういと思われます。よく遊び、よく学び、充実した小学校生活を送られることをお祈り申し上げます。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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