教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
11月 園医さんのつぶやき「感染性胃腸炎」について
感染性胃腸炎が流行する季節となりました。原因はノロウイルスやサポウイルスなどで、吐物や下痢便から飛び散ったウイルスを吸い込むか、ウイルスに汚染された物を食べることで発症します。日頃から手洗いをマメにやって頂くことが基本的な注意点ですが、ご家族が発症した場合、吐物の処理や、吐物の飛び散った場所の消毒が必要です。次亜塩素酸ナトリウム=塩素系漂白剤(ハイターやミルトン)でウイルスの感染力を失わせることができます。(但し、人体の消毒には使用できません)。消毒する前に使い捨て手袋とマスクを着用して、換気を良くした状態で始めて下さい。衣服、寝具は吐物が飛び散らない様、やさしく水洗いをした後0.1%の濃度で、床や食器は0.02%の次亜塩素酸ナトリウムで消毒してください。すぐ洗えない、消毒できない布地は、アイロンがけでも可です(85℃で1分加熱するとウイルスは失活します)。金属を消毒してそのままにしておくと腐食しますので、数分置いた後水拭きして下さい。消毒薬の作り方(うすめ方)と吐物の処理方法については、「ノロウイルスの二次感染を防止するために」~ 長野県衛生部   http://www.pref.nagano.lg.jp/omachiho/joho/documents/noro.pdf#search='%E3%83%8E%E3%83%AD%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%81%AE%E4%BA%8C%E6%AC%A1%E6%84%9F%E6%9F%93%E3%82%92%E4%BA%88%E9%98%B2+%E9%95%B7%E9%87%8E%E7%9C%8C%E8%A1%9B%E7%94%9F%E9%83%A8'
に分かりやすく記載されていますので、参考になさって下さい。消毒液をペットボトルで作成された場合は、小さい子が誤って飲まない様に手の届かない場所に置いて下さい。希釈した消毒液は長持ちしませんので、用が済んだら廃棄してください。
なお、ワイドハイターは酸素系漂白剤(過酸化水素)ですので、ノロウイルス殺菌には使えません。
嘔吐を数回以上繰り返し、吐き気が止まらない場合はなるべく早めに医療機関を受診なさる様、お願いします。制吐剤(吐き気止め)を使用して30分くらいは、飲食を控えて頂きますが、30分~1時間後より少量ずつ水分(最初は口の中を少し潤す程度)を飲ませてみましょう。嘔吐は止まったけれど、下痢の回数が多くて今ひとつ元気なさそうな場合はOS-1などの経口補水液を飲ませてみて下さい。それでも元気でなければ点滴が必要になるでしょう。
皆様が健康な11月をお過ごしになることを、お祈り申し上げます。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
バックナンバー