教育改革の推進
健康管理
園医さんのワンポイントアドバイス
幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
2019年4月『肥満についてと最近の流行状況とワクチンについて』
新入園のみなさん、入園おめでとうございます。園医の小児科医の宮原です。病気の事や生活上注意して頂きたい事をお伝えしています。どうぞよろしくお願い致します。4月末に健診で伺います。身体の健康状態、背の伸び方、やせや肥満の度合い、お友達と上手にコミュニケーションを取れるか等をチェックしてゆきます。急いで精密検査をした方が良い場合は、その旨お伝え致します。殆ど緊急性はなく、身長が低い、肥満気味などの場合は今後どのように変化してゆくか、経過を見てゆくための評価とお受け取り下さい。成長を見守ってゆいましょう。
【肥満について】
お子さんの身長に対しての標準体重があり、実測体重と標準体重の差を標準体重で割って100をかけます。20%以上が軽度肥満、30%以上が中等後肥満、50%以上が高度肥満と判定します。計算が面倒な場合は、身長と体重をグラフに書き込むと肥満度が一目でわかる表が、日本小児内分泌学会のHPにあります。ご参照願います。 http://jspe.umin.jp/public/himan.html
全国的な疫学調査が行われていて、3歳の時に肥満だった児の30%が20歳の時に肥満と判定されています。幼児期に高度肥満になってしまう人は稀ですが、肥満が徐々に進行してしまうと、なかなか肥満度の改善が難しくなります。バランスの良い食事、よく噛む、スナック菓子や清涼飲料水の摂りすぎに注意して、適度な運動を心掛けましょう。保護者の方の休日に、お子さんと一緒に、のんびりゆっくり、お話しながらお散歩してみてはいかがでしょうか?
成人では、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)という、お酒を飲まなくても脂肪肝→肝硬変→肝臓がんと進行してゆく危険性がある病気があり、カロリーの摂りすぎや運動不足が原因と言われています。お忙しいところ大変でしょうが、無理のない範囲でお子さんと一緒に体を動かしてみましょう。
【最近の流行状況とワクチンについて】
2月後半から3月は、感染性胃腸炎(特にロタウイルス)が流行していて、中には入院が必要な方もおられました。嘔吐した時には、少なくとも30~60分はお腹を休めて、それ以上嘔吐しなければ水分を少量ずつ試してみましょう。もし待機中にも嘔吐を2~3回繰り返す場合は、制吐剤の使用を考慮してください。手元にない場合は医療機関を受診してください。制吐剤を使用して効果が出る30分後以降、水分を少量ずつ試してみて下さい。
他にもRSウイルス、アデノウイルス、溶連菌感染症がみられています。暖かくなってきた時に朝晩が冷え込むと、自律神経の調子が狂い病気になり易くなります。早めの就寝とバランスの良い食生活と手洗いとうがいで新年度を迎えましょう。
2019年4月以降、「風しんの追加的対策」として昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までに生まれた「男性」に対して、風しん抗体検査及び予防接種を予定です。国の政策ですが、まだ実施の詳細が確定しておりませんので、該当の方は厚労省のHPで
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/index_00001.html をご参照願います。
概要はその中の https://www.mhlw.go.jp/content/000475804.pdf をご覧ください。
年長さんはMRの2期をお時間ある際に接種してください。
新年度もどうぞよろしくお願い申し上げます。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生