教育改革の推進
健康管理
園医さんのワンポイントアドバイス
幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
園医のつぶやき 3月号 その154ワクチンお済ですか?ヒトメタニューモウイルスにもご注意を!
みなさま、こんにちは。2月は節分の豆まきで、邪気を払えましたか?寒い日が続いたためか、しもやけのお子さんが少なくありませんでした。また、ノロウイルスやその仲間のウイルスによる胃腸炎が増えました。ウイルスが潜んでいる二枚貝を食べて発症する方や、周辺から感染したと思われる事例もありました。その中には早めに治療開始しても症状が治まらず、持続点滴目的で入院が避けられなかった方もおられました。ノロウイルスのワクチンの作成も色々な要素が絡んで難しそうで、実現に至っておりません。対策としましては、手洗いと規則正しい生活を送って頂き、加熱の不十分な二枚貝を食べる事は避けて頂く様、お願い致します。
【麻疹、風疹、MRワクチン】
2回目のMRワクチンの接種がお済みでない年長さん、公費負担は3月31日までになっています。1回しか接種していないと、高校を卒業した頃にワクチンによる免疫が落ちて麻疹(M;measles)に罹患する方が散見されたため、2008年(平成20年)から2回接種になりました。麻疹に対して免疫を持たない集団の中に感染者が発生すると、1人の麻疹患者さんが12~18人に感染させてしまうくらい感染力が強く、その中に重篤な後遺症を来す方がおられます。風疹(R;rubella)につきましても先天性風疹症候群について、御一読頂けますと有難く存じます。大切なワクチンで、自費になると高額ですので、母子手帳を確認して2回目接種が未だの方は3月中に接種を済ませましょう。
【ヒトメタニューモウイルス(hMPV)】
ヒトメタニューモウイルスは2001年に発見されたウイルスですが、乳幼児にも感染して、熱、のどの痛み、鼻水、咳などRSウイルスと似た症状が出ます。根本的な治療はなく、対症療法になります。保険診療で認められた検査対象は、6歳未満で画像診断によって肺炎をおこしている事が強く疑われるお子さんになります。集団発生しやすい事が過去の事例でわかっています。喘息症状が出やすい方や副鼻腔炎・中耳炎になりやすい方は特にお気をつけ下さい。
【ひなまつり】
年長の皆様、ご卒園おめでとうございます。入園したての頃は、園児のみなさんは緊張して、保護者の皆様はご心配された事でしょう。年に2回、内科健診でお会いする度に、ご本人、保護者さん、園の先生方やスタッフの皆さんのかかわりの賜物による頼もしい成長を見せて頂いて、毎回、胸が熱くなっておりました。
少子化が続く中、お子さんを育てて頂いて本当にありがとうございます。これからも、色々な出会いや転機が訪れると思います。自由ケ丘の坂道と同じくらい平坦ではありませんが、今日一日と、目の前にいるひとりひとりとを大切にできる人生をお過ごしになりますよう、心よりお祈り申し上げます。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生