教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
園医さんのつぶやき 8月号 (その99)
皆様、お元気でお過ごしでしょうか? 長い梅雨でしたが、ようやく明けました。その途端、セミの鳴き声とともに暑くなり、熱中症に備えた方が良さそうですので、その事について述べさせて頂きます。

【生活①~睡眠と食事の大切さ】
寝不足や朝ごはん抜きでは、午前中の急激な気温の上昇に対応しにくくなります。三大栄養素である糖質・蛋白質・脂質はもちろんの事、ビタミン・ミネラルまで含めてバランス良く摂りましょう。なにも毎日本格的な調理が必要な訳ではありませんので、時短レシピの活用や、ポテサラをはじめ手ごろなお惣菜を買って帰るのも、もちろん問題ありません。

【生活②~暑さに徐々に慣れて良い汗のかき方=暑熱順化しましょう+予防①】
全く外で遊ばない訳にも行きません。最初は数分から始めてみて、どれくらい汗をかくのか、お子さんの様子をみましょう。着衣があっと言う間にびしょびしょになってしまった場合は、着替えましょう、そして日陰で休憩して水分補給をしましょう。そして徐々に、活動時間を長くしていきましょう。
もし、食事を十分摂らず、水分摂取も不十分な状態で多量の発汗をしたら、熱中症になる危険度が高くなります。屋外での遊ばせる1時間前くらいから、前もって水分と塩分と糖分のバランスの良い経口補水液、またはそれに準じる水分を摂っておきましょう。

【予防②~気象の情報=暑さ指数を知り、体調と照らし合わせて活動しましょう】
「暑さ指数」で検索すると、「環境省熱中症予防サイト」から現在地、もしくは選択した場所の暑さ指数を知ることができます。最高気温も無視できませんが、暑さ指数に大きく係ってくるのが「湿度」です。また風の影響もありますので、風が吹かない日や時間帯・場所など、直射日光がない体育館や室内でも熱中症になりますのでご注意下さい。
 湿度が高く、最高気温も高くなりそうな日には、暑さに慣れたと思っても、汗をかき続けるような活動は控えて頂くか、やむを得ない場合はいつもよりも小刻みに休憩して頂くよう、お願い致します。また、親族に高齢の方がおられましたら熱中症に気づきにくいですから、暑い日など声掛けをして頂ければと思います。

【経口補水液、水分と塩分と糖分の理想的な配合】
OS-1の成分は、専門家が熱中症予防・治療(嘔吐・下痢にも使えます)を考えた理想的な配合です。それに比べてスポーツドリンクは塩分少な目、糖分多めですので薄めない方が良いです。OS-1を飲んで「しょっぱい」と感じた場合は、体の塩分が足りている状態です。その際には塩分を控えめにしたアクアライトや、スポーツドリンクでも大丈夫です。お子さんの受け入れが悪い場合は、うどんの汁やお吸い物などのだし汁少量とお茶を飲んでもらっても構いません。

【遊泳禁止の場所で遊ばない】
川辺や海辺で遊びたくなる季節です。ライフジャケットを用意するのが理想ですが、浮き輪、空(カラ)の2リットルのペットボトル数個、丈夫な長いロープなど最低限用意しましょう。遊泳禁止になっている場所は、急激に流れが速くなるところ、水深が深くなるところ、離岸流の発生しやすいところです。
暑さ指数や雨雲レーダーなどの気象条件および遊ぶ場所の安全を十分に確認して、楽しい夏休みの思い出を作られますよう、お願い致します。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
バックナンバー