教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
6月園医さんのつぶやき「”感染性胃腸炎”のおはなしです。」
今年もじわじわと暑くなって参りました。エルニーニョ現象で冷夏になりそうとのうわさですが、西日本の暑さは例年と変わらない?という予想もあるそうですね。
熱中症は、暑さが本番になる前のこの時期に注意が必要ですね。気温が前日より極端に高くなった日や、さほど気温が高くなくても、前日より湿度が高くなった場合などは要注意です。
今月は、感染性胃腸炎のおはなしです。5月に入って嘔吐、下痢で来院される患者さんがおられましたが、5月後半になって増えてきております。おなかをこわす原因は、ウイルスによるものが大半です。しかし、初夏から細菌による胃腸炎もみられています。
細菌による胃腸炎は、食中毒という方が、耳馴染みがあるかもしれません。
細菌に汚染された食品や水を摂取して発症します。原因菌は多数あるのですが、カンピロバクター、サルモネラ、腸管病原性大腸菌、腸管出血性大腸菌などが、頻度の高い細菌となっております。
カンピロバクターは、牛、羊、野鳥、鶏の腸管の中に存在しています。加工過程で汚染された肉を十分加熱せずに食べる、またはその肉を調理する際に用いたまな板を洗ったスポンジで食器やコップを洗うなどして、知らないうちに口の中に取り込んでいる場合もあり、よくわからないまま発症している方も散見されます。激しい症状ではないけれど、1週間~10日くらい、症状がだらだら続く場合は疑ってみるべきでしょう。
サルモネラは、鶏卵、牛肉、乳製品などが原因となります。以前に比べて鶏卵の汚染確率は激減しているようですが、それでも0ではありません。夏場は生卵を食べるのは避けた方が無難かと思われます。ミドリガメや爬虫類から感染した、という事例もあります。
大腸菌は、生肉を食べて集団食中毒を発生したことが話題になりました。この菌の中には、お腹の症状だけでなく、溶血性貧血、血小板減少、急性腎不全を主な症状とする溶血性尿毒症症候群という大変おそろしい合併症を来すものがあります。嘔吐・下痢がひどくなくても、なんだか元気がない、意識がはっきりしない、排尿の回数が少ない、むくんできたなどの症状があれば、直ちに医療機関に受診しましょう。こちらも、直接生肉を食べなくても発症する危険性があります。
生肉、生卵は控えて、調理器具の洗浄、スポンジの消毒と定期的な交換など、台所のチェックもして頂いて、梅雨を乗り切りましょう。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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