教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
2016年8月「水の事故には気をつけて!」
 先月号で梅雨明けを心配しておりました事を懐かしむくらい、猛暑が続いておりますが、皆様お元気でお過ごしでしょうか?

河童伝説など、川で泳がない様にと、溺れやすい場所で言い伝えが残っていますね。
濁っていなくても、急に水深が深くなったり、流れが速くなったり、上流で雨が降った数十分後に突然津波の様に濁流が押し寄せてくる鉄砲水など、川で遊ぶのはとても危険がいっぱいです。川遊びをする際はその場所の危険性を熟知した人にいてもらい、万が一流されても、水上に顔が出る様にライフジャケットを着用しておく方が無難です。泳げる人でも、水の中に飲み込まれた時にパニックをおこし、呼吸する回数が異常に増えてコントロールが効かなくなり、水が肺の中に入ってしまって溺れると言われています。
 海に泳ぎに行く人はあまりおられないかもしれませんが、離岸流(リップカレント)にご注意下さい。どんなに泳ぎの上手な方でも離岸流に逆らって岸に戻ることはできません。沖に流されていると感じたら海岸線と平行に移動して頂ければ、離岸流から抜け出す事ができます。まっすぐな海岸線の一部や、波消しブロック(テトラポッドなど)が岸から数十メートルの位置に設置されている内側などが、離岸流が発生しやすい場所として知られています。
十分気をつけて、楽しい夏休みをお過ごし下さい。

 さて、先日発生した相模原市の施設における事件について感じたことを少し述べたいと思います。
 重症心身障がい児(者);(以下、重心)の方々とは、日常生活で切り離されている方が大半かと思います。運動機能は、かろうじて歩ける方から寝たきりの方まで、知能はほぼ正常に近い方から全く言語理解と意思表示が全く出来ない方まで、食事は、最低限の介助で可能な方から完全に経管栄養(胃または小腸に管を通して栄養)を行っている方まで、呼吸は、自力で呼吸できている方から人工呼吸器をつけている方まで、様々な状態の方々がいらっしゃいます。原因は、生まれつきの病気だったり、細菌性髄膜炎などの感染症の後遺症だったり、事故による脳障害や低酸素脳症の後遺症などと、これもまた様々です。成人した後の感染症や事故の後の障がいは、一般的には含まれませんが、状態としては類似する場合もあり得ます。
 生まれてから現在に至るまでのご家族と本人が過ごして来られた時間を、当事者目線で心の底から理解するのは、なかなか困難な事ですが、言語による意思疎通が難しい方でも、時折見せて下さる笑顔には「癒し」を頂けますし、「意味」を感じる事ができると思います。

猛暑が続きそうです。炎天下で行動なさる際には、水分補給(OS-1またはアクアサポートなど)をしっかりして頂いて、熱中症対策をお願い申し上げます。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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