教育改革の推進
健康管理
園医さんのワンポイントアドバイス
幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
園医さんのつぶやき 1月号(その104)『新型コロナウイルスについて』
明けましておめでとうございます。皆様、静かな年始をお迎えの事でしょうか?1月に健診に伺う予定です。よろしくお願い申し上げます。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の突起の部分(S蛋白)に変異がある物が出現、日本にも入って来たとの報道がなされました。未知の物に対して恐怖を抱くのは致し方ないことですが、今の所明らかになっているのは「人間のACE2レセプターに対する親和性が増した」という事実だけです。病原性が強力になったかどうかは今のところはっきりしていません。
以前、「トマトの成分が血液の中の中性脂肪を低下させる」論文が発表されましたが、途中から「トマトを食べるとやせる」に噂が変わってしまいました。もともとの論文には一言も「やせる」とは書いていないのですが、伝言ゲーム(一部報道機関の自己流解釈)の恐ろしさを感じました。ですので、「今わかっている事は何か?事実は何か?」に注意を向けて頂けますと有り難く存じます。
また、先行してワクチンを接種している国や地域で、流行状況(罹患数や重症度)の変化の状況を観察するのも有用な情報になりそうです。
新型コロナ対策を続けることは非常に忍耐が必要ですが、持病(基礎疾患)がある方、高齢の方が危険な事には変わりはありませんので、その方々を守る行動を引き続き心がけて参りましょう。
最近、感染性胃腸炎、アデノウイルス感染症、感冒、ごくまれに手足口病の方がおられる程度で、新型コロナ対策で他の病気の大きな流行は抑えられている印象です。ごくまれに、鳥刺しや加熱が不十分な肉料理等で、食中毒菌に当たってしまう方がおられます。食品衛生にも御留意願います。
1年前はこの様な状況(再び緊急事態宣言を発令するかどうか)になっている事は予想できませんでした。昨年末の株価は高値でしたが実態と相関していない様に思えて、大変な思いをされている業種・現場の方々は多いかと思われます。○○の仕事をしている人が悪い、政府が悪い、COVID-19に罹患した人が悪いみたいな事を言う方が時におられますが、どんなに気を付けていても感染してしまう事があります。手ごわい相手ですので、何か1つ変えれば劇的に解決することを期待するのは難しそうです。お互いに物理的な距離を取らなければいけませんが、心の距離を密接に、お互いに助け合って行ければと願っております。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生