教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
園医のつぶやき 11月号(その126 )【成長・身体計測および社会性について】
こんにちは。先月の運動会は好天に恵まれて、楽しまれた事と思います。
そして先月末は内科健診で、こども園におじゃましました。園児さんの元気そうな様子をみせて頂き、活力をいっぱい頂きました。ありがとうございます。
内科健診での評価項目について解説致します
【成長/身体計測】
身長の偏差値は、「本人の身長」からその年齢の「標準身長」を引き算したものを、「標準偏差(SD)」で割り算します。本人が平均の身長だと0になり、-2 SDを下回ると低身長で、-2.5 SDを下回ると治療介入(検査や成長ホルモンの補充など)が必要です。
また、-2 SD~+2 SDの間に入っていても、1年前、半年前に比べて身長の伸びが鈍ってきた場合などは、身体の病気が潜んでいないかの診察が必要になります。
逆に、急激に身長が伸びてお友達を追い抜いてしまった場合は、不適切に成長・二次性徴するような状態になっていないかのチェックも必要になります(思春期早発症など)。
肥満度は、「本人の体重」からその年齢の「標準体重」を引き算したものを、「標準体重」で割り算して最後に100をかけ算します。肥満度が20%を超えると「軽度肥満」、30%を超えると「中等度肥満」、50%を超えると「高度肥満」になります。食べたカロリーと消費するカロリーのアンバランスだけの「単純性肥満」は栄養管理が必要です。それに対して、ホルモンの分泌異常など、栄養だけの問題では解決しない「症候性肥満」があります。いきなり精密検査をする事は稀ですが、肥満度が15%以上で時間が経つにつれてさらに肥満度が進む場合はかかりつけ医での評価が必要となります。定期的(2~3ヶ月間隔)に身長と体重と腹囲を測定してもらいましょう。
【社会性/集団生活】
子どもは1歳6か月~2歳の間に有意語を話すようになります。2歳すぎても有意語が出ない場合は、聞く力(聴覚)と話す力を評価します。その後は3歳でタ行、4歳でカ行、5歳でサ行が言えるかどうかを見て行きます。年中さんでも音の入れ替わりが多い場合や発音がはっきりしない場合は言語訓練を御紹介しています。
今度は言語を、他のお友達とのやり取りに使える様になっていっているか?幼稚園や保育園では、将来「自分の気持を十分伝えて、相手の気持ちも十分理解できるようになる」ための基礎作りの期間です。お子さんそれぞれ個性をお持ちですが、その個性が将来社会生活において苦労する、または他人とのトラブルの原因になりそうな状況をお伝えしています。
 上に書いたことは、いずれもお子さんを悪い方に区別したいわけではありません。様子みていて小学校高学年や中学校で、「どうしよう、もっと早くサポートしてあげておけばよかった」とならないために、一度専門家(栄養士、心理士(師)、言語聴覚士、保健師の皆様など)のお話しを伺ってみましょうというものです。どうぞよろしくお願い致します。
朝夕冷え込む様になってきました。皆様、お体たいせつにして下さい。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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