教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
2019年2月『インフルエンザ治療薬について』
1カ月前「果たして?」と思っておりましたが、インフルエンザAの大流行になってしまいました。昨年のインフルエンザの流行がほとんどBで、インフルエンザAの方があまり多くなかったので、その反動が来てしまったのかもしれません。皆さん発熱に気付かれた後、数時間から翌日の間に来ていただける様になり大変助かっております。有難うございます。
インフルエンザの治療薬ですが、昨年3月に新しい薬が発売されました。作用する場所が今までの薬と異なります。これで、吸入タイプの抗インフルエンザ薬が2種類、内服が2種類、注射薬が1種類となりました。基礎疾患のない元気な方は、必ずしも抗インフルエンザ薬は必須ではありません。成人は、抗インフルエンザ薬よりも漢方薬の麻黄湯の方が症状を緩和するのに有用です。
初日に1回内服または数回吸入するだけで治療完了すると、簡便でよさそうに思えますが「内服した後に嘔吐してしまった」または「吸えたと思っていたけれど、実は吸えていなかった」という事例もあります。1回で済む薬は「もう1回」が出来ませんので、確実に施行できるようになってからご検討頂けたらと願います。また、新しいお薬を皆さんが一斉に使うと、インフルエンザウイルスの性質上、薬が効きにくくなる様にウイルスが変異してゆき、結果としてその薬を翌年以降に使えなくなる可能性もあり得ます。患者さんにあった薬を、偏りなく使用するのが良さそうです。
溶連菌感染症の方もおられます。高熱ですが他の疾患より喉の痛みが強く、単独感染だとインフルエンザ検査は陰性になります。複合感染になる場合もあり得ます。治療と合併症を防ぐために抗生物質の内服が必要です。
ロタウイルス胃腸炎もじわりと流行しています。生後半年~1歳までのお子さんが罹患すると重症化しやすくなります。年齢とともに症状は軽くなりますが、下痢がしつこいのが特徴です。かかり始めは嘔吐が続く場合もあり、水分や食事が十分摂れないと脱水症や低血糖症になることがあります。インフルエンザで高熱が出ることよりも、ロタウイルスに限らず嘔吐が数回以上連続する方が、お子さんにとっては危険です。夜間に嘔吐を10回しているお子さんを朝まで様子を見ることは大変危険です。2回以上嘔吐したら早めに対処して頂く様お願い致します。下痢がしつこく、それに飲む分が追い付かない場合は点滴をしますが、1日で不十分な場合は入院になります。ロタウイルスワクチンをした方は軽症で済むと予想されます。
2月は節分、豆まきですね。鬼さんだけでなく、うがい手洗い規則正しい生活でインフルエンザやその他の病気を追い払えますよう、お祈りいたします。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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