教育改革の推進
健康管理
園医さんのワンポイントアドバイス
幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
2019年7月『梅雨時期は注意が必要です!』
今年は梅雨入りの遅さが52年ぶりに更新された様ですね。稲作をされている農家さんは非常に気を揉まれた事と思います。適度に降雨して、適度に晴天になる事を祈っております。先月流行した病気は、手足口病が最も多く、次にヘルパンギーナ、迅速検査で検出されないタイプの感染性胃腸炎、溶連菌感染症の順でした。
手足口病やヘルパンギーナなどのエンテロウイルス感染症は、発疹がでずに発熱だけが症状の「非特異的熱性疾患」の形をとることも少なくありません。体温計で39~41℃であっても、最低限の飲食ができていれば安静で自然軽快することが多いので様子を見ていて下さい。もし、ぐったりして反応が鈍い、または飲食が出来ないなどの場合は、点滴が必要になる事もありますので、早めに受診なさって下さい。
嘔吐下痢も少しずつ増えてきている印象です。吐き気が強い時はあまり水分摂取を促さずに、様子を見て、立て続けに2~3回嘔吐する場合は、吐き気止めの坐薬(ナウゼリン坐薬)が有れば使用して頂き(おうちになければ受診してください)、30分くらい胃を休ませてから少量ずつ水分をやり始めて下さい。半日も嘔吐し続けているのを何もせずに様子みるのは危険ですので、早めの対応をお願い致します。坐薬を使っても嘔吐が止まらない場合は点滴または入院が必要になる可能性があります。
嘔吐下痢の原因はウイルスが大半ですが、梅雨の時期は食中毒菌にも注意が必要です。肉類にはしっかり火を通して頂く、調理器具や手の消毒洗浄を励行して頂く様お願い致します。食中毒ではありませんが、お好み焼き粉を開封したまま賞味期限を超過して常温で保管したために、袋の中でヤケヒョウヒダニが発生し、そのままお好み焼きを作って食べて、ひどいアレルギー症状をおこした報告もあります。どこに落とし穴があるかわかりませんので、どうぞご注意下さい。
梅雨明けがいつになるか、予想がつきませんが、すでに今年も各地で水難事故が起こっています。遊泳禁止場所でなくても河川で遊ぶのは基本的に避けた方が良いと思われます。昔の人の河童伝説は、「ここで泳ぐと危ないよ」という戒めだったのではないでしょうか。もちろん人工的に整備して、安全に十分配慮された場所であれば、そこまで用心しなくても良いと思われます。ただ、人が溺れる時に、ドラマの様にバシャバシャ水面を叩く事なく、スーッと沈んで行くケースが多い様ですので、お子さんだけで泳ぐ際にはしっかり見守ってあげて下さい。海岸につきましては、離岸流の起こりやすい場所で遊ばない様にしましょう。
避難勧告等に関するガイドラインの改訂が本年3月に行われました。警戒レベル3で高齢者や移動に時間のかかる方は避難開始、警戒レベル4で全員避難、警戒レベル5(すでに災害発生)で命を守る最善の行動をとるように、と改訂されています。ご家族で避難経路と避難場所の確認、非常用物品の準備をお願い致します。
楽しい夏休みを皆さんで迎えられますよう、お祈り申し上げます。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生