教育改革の推進
健康管理
園医さんのワンポイントアドバイス
幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
11月園医さんのつぶやき『ノロウィルス登場!?』
感染性胃腸炎のシーズンになる?毎年、朝晩冷え込む様になると登場するのがノロウイルスです(その他の胃腸炎ウイルスもあります)。二枚貝(牡蠣など)を生で食べて感染する事もありますが、既に感染してしまった人から感染するケースが多いと考えられます。手洗いをしっかりしてウイルスを口に入れない事を心がけて頂きたいと思います。
嘔吐、下痢が主な症状ですが、片方しかない場合や、お腹の不快感だけの方もおられます。発熱はする人としない人がおられます。軽症の人は自然に症状が治まる場合もありますが、嘔吐や下痢を繰り返して口からの水分補給が不十分~不可能な場合は、点滴が必要となります。
吐物や下痢で汚染された物や場所の消毒に、アルコールは無効で、次亜塩素酸ナトリウム(ハイターまたはミルトンなど)を用います。床、衣類、トイレなどを消毒するときは次亜塩素酸ナトリウムを0.1%の濃度に、おもちゃ、調理器具、直接手で触れる部分などの消毒をする場合は0.02%の濃度にして消毒を行います。消毒液を作る時に誤ってお子さんが口や目に入れたりしない様に気をつけて頂く事と、金属部分を消毒した場合は消毒液をふき取って頂くことを忘れない様お願い致します。
気をつけろ、と言われましても・・・。
エボラ出血熱がアフリカを中心に流行拡大し、現地で活動を行った医療従事者が数名、ヨーロッパやアメリカ合衆国に帰国後発症した、と報道されています。
エボラウイルス、エボラ出血熱について少し考えてみましょう。
ウイルスを保有しているオオコウモリや猿などを触ったり、殺したその場で生で食べたりする事で最初の患者さんが感染を起こします。発熱、ひどい頭痛、関節痛、だるさ、打ち身もしてないのに出てくる出血斑、などあれば発症したと考えられます。人から人に感染する可能性がでてくるのは、この状態になってからで潜伏期間(数日~21日)に感染することはまずないようです。発症した患者さんのウイルスを含んだ吐物、便、血液などが、ケアした人の粘膜(目、鼻、口)または傷ついた皮膚に付着して、体内に侵入して感染します。これがどの程度の確率かは不明です。但し、空気感染や飛沫感染はしませんので、交通機関に同乗したからと言って心配しすぎることはないようです。
日本にいつ上陸してくるかわかりませんが(と書いた途端に疑い症例の方の報道が・・・)、現在は一般の医療機関では診断治療は行えない状況です。インフルエンザ用に作られた薬が使用される方向で話が進んでいますが、効果の有無については慎重な判断が必要になると考えられます。患者さんと接触しないかぎり発病するおそれはありませんが、心あたりのある方は、保健所に電話相談されて、指定の医療機関に受診するかどうか指示を受けて下さい。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生