教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
園医のつぶやき その7 「食べ方を考えてみましょう」
そろそろ、街には、クリスマスの装飾や音楽がちらほらする頃でしょうか?
クリスマス、お正月と、ついつい食べ過ぎてしまう季節ですが、今回は食事のことを中心に考えてまいりましょう。
 よく、「好きな物を最初に食べるか?最後に食べるか?」なんて質問をし合いますね。争いの少ない(もちろん兄弟姉妹の!?)環境ですと、「ゆっくり最後に派」になるのでしょうが、ひと時も油断できない場合は、最後に残していると「いらないの?」なんて言葉が終わらないうちに持っていかれて・・・orz・・・なんてことに・・・。
 まぁ、こんな冗談みたいな話で始めましたが、意外と食べる順番は大切です。炭水化物(甘いもの、ごはん、パン、麺類)を食べると、膵臓(すいぞう)からインスリンが血液の中に分泌されます。最初はグリコーゲンとして肝臓(かんぞう)や筋肉にたくわえられますが、必要以上に摂りすぎると中性脂肪となり、内臓脂肪や皮下脂肪にたくわえられます。ひどい場合には肝臓にも入り込み脂肪肝になってしまいます(>_<)。
ということは、ご飯やパンをお腹いっぱいに食べて、おやつも甘いものやスナック菓子さらにジュース類をたっぷり摂ると、インスリンが常に出ている状態が続いて、体の脂肪が分解されず、太りやすく、やせにくい体質になります(インスリン抵抗性といいます)。
 理想は野菜→タンパク質(肉、魚、大豆など)→炭水化物(米、パン、麺)の順番に食べると、インスリンの上昇がゆるやかになるとともに、カロリーの摂り過ぎも抑えることができます。なかなか、日常でこの順番を守るのは現実的ではありませんが、一つの食品を一気に食べず、少量ずつ野菜→おかず→ご飯→野菜~のようにローテーションしながら食べるだけでもかなり違います。
 もう一つ大切なのが、よく噛むことです。食べ過ぎを避けることができるのと同時に、褐色細胞を活性化して、基礎代謝の増進(≒太りにくい)につながる可能性があります。
 摂取カロリーの目安は、体重10㎏の子は1000kcal、20㎏の子は1500kcal、30kgの子は1700kcalです。まだ成長期ですので、多少肥満気味だとしても、大人のような厳しいダイエットは必要ありません。しかし、おおまかなカロリー計算はして頂き、体重の現状維持に努め、数か月から1~2年をめどに標準体重に近くなるようにしましょう。
 もし短期間で、急激に体重が増えてしまった場合、食欲が異常に亢進している印象がある場合は、病気が隠れていないかどうか、かかりつけの医師にみてもらいましょう。
 日常の計画的な食生活あってのイベントということで、楽しいクリスマス会やお正月をみなさんが迎えられることを願っております。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
バックナンバー