教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
2015年11月園医さんのつぶやき「」健康診断受けられてみては?」
10月前半は冷え込みましたが、後半は朝昼の寒暖の差が大きい日が多くなりましたね。
全国放送では、RSウイルス感染症の増加に気をつける様に、と報道されています。9月分に書かせて頂きましたが、鼻みず、咳で始まり、ぜいぜいする様でしたら、RSウイルス感染症の可能性があります。幼稚園のお子さんが重症化する可能性は高くありませんが、生まれて数ヶ月以内の兄弟姉妹がいる御家庭では、無呼吸や細気管支炎などに御注意下さい。
 10月にも書かせて頂きましたが、引き続きノロウイルスなどによる感染性胃腸炎にご注意下さい。
 お子さん向けの話から今回は逸れますが、少しお付き合い下さい。先日、知り合いが健康診断でコレステロールの高値を指摘されました。その時のリアクションが個人的にはツボだったのですが、ここでは省きます。10年以上前になってしまいますが、成人・小児問わず、救急患者さんを受け入れる仕事をしておりました。さっきまで元気だった方が突然倒れ、意識がなくなって救急車で来院される方。数時間かけて「ろれつ」が回らなくなり、片方の手足が動かし辛くなって来られる方。突然、胸に激痛が走り、苦しくなって来られる方。寒くなるにつれ、そういう症状の方が徐々に増えてきます。来院される(または、発見・救急要請される)タイミングが良くて、順調に治療が進み、無事歩いて退院して、入院する前の状態に戻る事の出来る運の良い方もおられます。しかし、亡くなる方、寝たきりになる方、何かしらの麻痺が残り仕事復帰が難しい方、または仕事はできても日常生活に支障を来している方もいらっしゃいます。そういう方を可能な限り減らす事が出来ないか、と考えられたのが健康診断です。脳(脳の主要な動脈)や心臓の血管(冠動脈)の状態を直接モニターできれば良いのですが、通常の健康診断でそれぞれの血管を映し出す検査を行うと、コストと時間がかかってしまい現実的ではありません。それで、糖尿病(知らず知らずのうちに血管が傷んで行く)がないか血糖やHbA1cを、高コレステロール血症がないか、LDL(悪玉)コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、中性脂肪などを測定する事により、血管の状態を間接的に想像します。異常値が出ると「精密検査を受けて下さい」と連絡が来ます。ご家族に脳血管や冠動脈疾患の方がおられず、ご本人も不摂生していなくて、今までそれぞれの血管を傷めた事がなければ、まずは様子をみる事になる可能性が高いかと思います。しかし、一度はかかりつけの先生に相談されて、今後注意する事がないか検討して頂いた方が良いでしょう。
 尿酸が高い方は、ビールの飲みすぎや肉類の食べ過ぎにご注意下さい。
血圧が高くなって来た方は、激しい気温の変化に注意して、降圧薬が必要ではないか相談してみて下さい。
 異常値がなくても、不摂生をして良いわけではありませんので、お互いに気をつけましょう(←自分に言い聞かせているみたいです)。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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