教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
2020年2月「咳エチケットについて」
皆さんこんにちは。節分の豆まきの準備でお忙しいでしょうか?
ご存知の通り、中国の武漢からコロナウイルスの流行が始まりました。
コロナウイスの大半は軽症の感冒症状で終わりますが、過去にはSARS(サーズ;重症急性呼吸器疾患2002年11月~2003年7月)、MERS(マーズ;中東呼吸器症候群2012年~)など、致死率が高い種類の流行が報告されています。
今回のコロナウイルス(2019-nCoV)は昨年末から感染者、重症者、死亡者の集計の報告があり、徐々にそれぞれ増加しています。
発熱と咳から始まる病気の原因としては、マイコプラズマ、RSウイルス、インフルエンザ、アデノウイルス、ライノウイルスなどがあります。コロナウイルスも発熱から始まりますが、クリニックで実施できる迅速検査はありません。全身状態、特に呼吸器症状(≒酸素化)を主に評価して、レントゲンで肺炎像があり、今後の呼吸症状の悪化が懸念されれば指定された医療機関への入院を検討する可能性がありますが、感染したとしても大半は自宅で解熱剤や去痰剤などで経過を見ることになると思われます。入院する方、肺炎をおこしている方については上咽頭ぬぐい液(簡単にいうと綿棒を鼻か喉に入れます)による遺伝子検査(PCR法)を保健所経由で行う事になっています。
ここで、コロナウイルスに限らず、咳エチケットについて皆さんに再確認して頂きたい事があります。咳が出る人は、公共交通機関を使っての通勤途中や職場でマスクを着用しましょう。大半の方は正しい装着方法ですが、鼻を覆っていなかったり、マスクの上部を鼻から頬にかけてピッタリ密着させていないなど、不完全な装着方法をされている方を見かけます。今一度正しい装着方法を再確認願います。
また、マスクを忘れてしまって咳やくしゃみが出てしまいそうになった際は、手のひら(掌)ではなく、腕の付け根(上腕)で受け止めて下さい。飛沫を空気中に放散するのを防げるとともに、手のひらをウイルスで汚染するのを防ぐ事ができます。飛沫感染が主な感染経路と考えられますが、手のひらを介しての感染経路も否定できません。公共の場所から帰宅した際、または人混みに出かけた先で食事をする際には手洗いをしっかりしましょう。
 2019-nCoVについての情報は、厚労省や国立感染症研究所のホームページから医療関係者以外でも閲覧できますので、参考にして頂けますと幸いです。
https://www.mhlw.go.jp/index.html

 さて、暖冬のためか、インフルエンザの他に、溶連菌感染症、感染性胃腸炎、水痘、アデノウイルス感染症、鼻副鼻腔炎など、色々な感染症や病気の方がおられ、まるで春先の様です。1月は雨の日が多かったですが、2月にはスギ花粉が飛び始めると予想されます。引き続き色々な病気に対応できる様、規則正しい生活とバランスの良い食事をお願い致します。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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