教育改革の推進
健康管理
園医さんのワンポイントアドバイス
幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
2016年2月 『インフルエンザ』について
1月24日に大雪が降りました。出勤された親御さん、大変でしたでしょう。その後の気温の変動も激しい様で、ご家族の体調も勿論ですが、水道管や家電製品の調子も気になるところですね。インフルエンザの流行は、2月に持ち越しそうですね。
インフルエンザの検査のタイミングですが、決まりはありません。人によって、鼻の奥でウイルスが増殖するスピードに違いがあります。38℃を超えて1時間くらいですと、インフルエンザを正しく診断できる確率は10%程度と言われております。全身状態に余裕がある場合は、数時間経過を見た方が良いでしょう。
国が認めているインフルエンザ検査は2回までです。かかりつけ医に相談されて、適切なタイミングで検査をしてもらって下さい。
また、インフルエンザの登園停止は、発症した日を0日として、次の日から1日と数え始めて5日目までの期間が基本となります。但し、発症した日の次の日から数えて3日目に解熱していなかった場合は、4日目以降、解熱した日を0日として、翌々日までお休みする必要があります。数え方が分からない場合はかかりつけ医に相談下さい。
抗インフルエンザ薬を使用し始めて3~4日で解熱しない場合や、すごく状態が悪そうな時は、細菌感染症の合併などが心配されます。診断がついてお薬を飲んでいても、その様な場合には、遠慮なくもう一度受診されて下さい。
暖かい春がやってくるタイミングが早い場合は、ロタ腸炎が早めに流行するかもしれません(ロタウイルスだけでなく、他にも嘔吐・下痢を来す病原体はあります)。紙おむつをはめているお子さんは、下痢便をおむつごとビニール袋に入れて診察の際にお持ちいただければ、便の観察と何か検査ができますので助かります。肛門に直接綿棒を入れても検査できない事はないのですが、本人さん、下痢でおしりがひりひりしている所にそれをするのは、心が痛みます。ロタ腸炎の重症の方は下痢の回数が多く、何日も続き、入院が必要となることがあります。特効薬はなく、治療は水分、塩分、栄養の補給という対象療法になります。
ロタワクチンは生後6週0日から14週6日までが、1回目の投与期間になっております。まだ任意接種ですので、実費を負担して頂かなければならない点と、めったに起こりませんが、腸重積の発生にも気をつけなければいけない点が、心苦しい所です。
気がやや早いですが、食物アレルギーの制限解除をお考えの方は、2月末から3月初めにかかりつけの先生に、食物負荷試験(アナフィラキシーを起こす危険性が高い方は入院できる施設での実施を考慮)をするか、その他の検査を行うかなど一度ご相談下さい。時には、紹介が必要だったり、検査結果が出るまでに時間がかかる事を考えますと、3月末の書類提出期限ギリギリに駆け込むのは、その後のお子さんの生活を考えますと賢明とは言えません。よろしくご検討お願い申し上げます。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生