教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
園医のつぶやき6月号 その133 【胃腸炎に注意!ですよ!】
園医のつぶやき その133

 5月末に入梅して、6月を迎えました。保護者の皆様お元気でしょうか?

現在、就学前児童の方々の間では、RSウイルス、アデノウイルス、溶連菌、感染性胃腸炎(ウイルス性が主、まれに細菌性)、ヘルパンギーナ、夏風邪(エンテロウイルスによる発熱)などが流行しています。1歳前後のお子さんは副鼻腔炎を4月から何度も繰り返すケースがみられます。いずれ、夏頃にはひと段落しますので、あきらめずに適正な受診やご家庭でのケアを続けて頂けたら幸いです。今のところ、上記の様に他の病気が蔓延しているせいか、この世代には今のところCOVID-19の再流行は目立たない様子です。

暖かくなりお子さんが胃腸炎にかかりやすくなる時期です。本年も、発症した際のお願いをいたします。嘔吐が2~3回以上連続する場合には、早めに医療機関に受診しましょう。制吐剤(吐き気止め)の坐薬を使用して効果がみられ始めるまでの30分間は胃腸を休めましょう。その後少しずつ水分摂取(経口補水液など)を始めて、嘔吐しなければ胃腸に優しい食事を摂らせて下さい。それでも嘔吐が止まる気配がなければ点滴をします。さらに脱水や低血糖の程度が強ければ入院になります。
お子さんの状態が落ち着いたあと、吐物の処理などご家族の皆様ご苦労様です。まず石鹸での手洗いが大切です。その後、汚染された物の消毒を行いますが、胃腸炎のウイルス消毒にはアルコールの効果がない事が多く、次亜塩素酸ナトリウム(ハイター)を使います(便やおう吐物が付着した床,衣類,トイレなどの消毒をする場合… 濃度が 0.1%(1,000ppm) の消毒液を作ります。おもちゃ,調理器具,直接手で触れる部分などの消毒をする場合… 濃度が 0.02%(200ppm) の消毒液を作ります。)。福山市のノロウイルス対策マニュアルがとても分かりやすく、施設編、家庭編、家庭でできる消毒液(次亜塩素酸ナトリウム溶液)の作り方など、それぞれを参考にして頂ければ幸甚に存じます。

 内科健診では、元気いっぱいの園児さんたちに会う事ができて、活力をいただきました。少しアドバイスさせて頂いておりますが、心理、言語、行動、肥満のいずれにせよ、客観的な立場から一度評価してもらい、必要な場合は継続的なサポートをする事がとても重要です。問題を先延ばしすればするほど、介入や解決がむずかしくなって行き、思わぬトラブルが発生してしまいます。また、ネット情報の一本釣りみたいな教育・養育をお子さんに課してゆくのも、先々お子さんが苦労して行く事になります。
ご理解のほど何卒宜しくお願い申し上げます。

 気候の変動が大きい6月も、睡眠と休息を十分に取って体調をキープして参りましょう。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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