教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
園医のつぶやき 11月号 その138 【インフルエンザについて】
園医のつぶやき その138

朝晩がだんだんと冷え込んでまいりました。

新型コロナに感染している人はかなり減ってきました。かわりにインフルエンザAが増えてきました。両者を症状だけで区別するのは困難ですので、抗原検査に頼らざるを得ません。
そこで、抗原迅速検査で陽性になるまでの時間が、新型コロナとインフルエンザでかなり違う事をお伝えしたいと思います。新型コロナは、発症後数時間でも陽性になる方がおられますが、インフルエンザはそれよりも少し遅くなる傾向があります。
こども園に通っているお子さん達の年齢は、比較的早めに陽性になります。つまり過去にインフルエンザに罹った経験が少ないため、感染してからウイルスが体内で速く増えてしまいます。これが、年齢が上がるにつれ、発症してから抗原検査が陽性になるまで時間がかかる様になります。従って、その年齢以上の方々は発熱直後に検査目的で かかりつけ医に受診しても本来の目的を達成できない可能性が高くなります。もちろん、うわごとを言う、もうろうとしているなど意識がおかしい時や、飲食が全くできない時は早めの受診が必要です。解熱剤も手元にあり、飲食も最低限できていれば、一呼吸おいての受診がお勧めです。
いずれの病気にせよ、抗原迅速検査は陽性であれば信頼に価します。しかし陰性であった場合はその病気ではないと断言できるほど精度は高くありません。特に発症直後の抗体検査陰性は、「検査が早すぎて何とも言えませんね」というモヤっとした、いちばん申し上げたくないコメントをお伝えしなければなりません。家族内にインフルエンザの人がいて、その方と濃厚に接触している方であれば、抗原検査を行わず「みなし陽性」とすることもあります(一方で、同じ日に発熱し始めたきょうだいで、小学校の上のお子さんはインフルエンザAで、幼稚園の下のお子さんはアデノウイルス感染症であったこともありますので、それぞれの属性、つまり家庭、小学校、幼稚園、保護者さんの職場、娯楽施設など、様々な場所での流行状況などを参考にさせて頂いています)。
但し、友達など、密接にかかわる時間が短い場合は悩ましいです。小学校高学年、中高生などは特に陽性になるタイミングまで待ってから対応を決めた方が良さそうです。

ウイルス性胃腸炎もちょこちょこ流行し始めています。娯楽施設に行って遊んだ後は、せっけんでしっかり手洗いをしましょう。嘔吐は、2~3回続いたら放置せず、早めに受診しましょう。お子さんたちは、脱水、低血糖などが進行しやすく、放置した分だけ回復まで時間を要します。200~500mlの点滴で軽快すれば良いですが、入院になったら大変です。

11月もどうぞよろしくお願い致します。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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