教育改革の推進
健康管理
園医さんのワンポイントアドバイス
幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
園医さんのつぶやき 9月号(その124)【不調のサインを見逃さないで!】
園医のつぶやき その124朝、少し涼しくなり秋の訪れを感じる様になりました。
7月後半から新型コロナの大流行が起こっていましたが、8月の最後の週に少し減少傾向を示しています。幼稚園、小中高校が夏休みに入り児童間の感染はあまり顕著でなくなっていましたが、2学期が始まってどうなるか、特に9月最初の2週間を見守る必要がありそうです。
ワクチン接種をしている人でも感染しますが、ワクチン未接種の方で症状が強くなる割合が多いです。ウイルスの感染力も強くなっている印象で、家族全員感染しているケースもよく見られました。特に小さいお子さんがいる場合、家庭内隔離は本当に難しいです。5歳以上12歳未満の方のワクチン接種があまり進みませんでしたので、その年代の感染者が増えないか、重症者が発生しないか正直少し不安です。
また、療養期間が終わっても、味や臭いの感覚が戻らなかったり、疲れやすかったり、特定の作業が非常に苦痛になったりして、病気になる前のペースで仕事が出来なくなっている方がおられます。自分が軽症で済んだ方は幸運だったと思って、世の中に表面上普通でも後遺症に苦しんでいる方が少なくない事にご理解頂けると幸いです。
新型コロナウイルス感染症の流行が始まる以前も、9月は心が落ち着かない、精神の不調を来しやすい時期です。小学生以上で、夏休み終わる前から頭痛や腹痛を訴えるお子さんが少しずつ増えています。今の気持を自覚できない、言葉で表現できない、またはうすうす自覚していてもそれを心の中で打ち消したい時に身体症状を訴えます。ついつい、お子さんの発するサインを見逃してしまう、またはうすうす気づいていても、正常バイアスつまり「そんなはずないよね」と思いたくなってしまいがちです(私も自分の子たちで何度も経験があります)。心の傷が浅いうちは、修復は短期間で済む可能性があります。もちろん傷が浅いうちに気づいても、修正の方向を間違うと傷が深くなります。ご家庭だけで抱え込まず、お困りの際は、園や学校の先生、市の相談窓口、かかりつけ医にご相談頂ければと思います。
少しずつ気温も下がって来て過ごしやすくなりますが、朝の冷え込みで風邪をひきません様にお気を付け下さい。また、強い台風が来ない事を祈りましょう。
こころとからだ、楽しい9月をお過ごしになりますようにお祈り申し上げます。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生