教育改革の推進
健康管理
園医さんのワンポイントアドバイス
幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
2016年7月「夏におこりうる病気って!?」
今年の梅雨明けは、いつになるでしょうか。お昼の番組で気象予報士の方が、出演者にイジられているのが気の毒ですね。
夏風邪の代名詞、エンテロウイルス感染症の時期がやって参りました。
発熱だけの非特異的発熱、のどに水疱ができるヘルパンギーナ、のどや手足に水疱ができる手足口病などが主な病気のかたちです。夏の暑い時に、高熱が続くとクラクラして大変ですね。インフルエンザと違って治療薬がありませんので、こまめに水分を摂って、適切に解熱薬を使って頂く様にお願いします。39℃でも、楽しそうに遊んでいる場合、すやすや眠っている場合は、解熱薬を使う必要はありません。
熱性けいれんをおこす事があります。息ができる様、楽な姿勢をとらせて頂ければ、おそらく1分~数分以内には、けいれんがおさまって意識が戻るはずです。もし数分経過してもけいれんがおさまらず、呼吸が不規則な場合は、救急車を呼ぶことを考慮しても良いでしょう。
激しい頭痛、筋肉痛、呼吸が苦しそう、手足に力が入りにくいなどの症状がありましたら、かかりつけで診察してもらって下さい。
嘔吐や下痢症状がみられる方も少なくありません。夏風邪ウイルスや細菌による可能性があります。しつこいですが、2~3回嘔吐したら、早めに医療機関へ受診しましょう。5~10回も嘔吐するまで様子を見るのは、脱水や低血糖を起こす可能性があり、とても危険です。早め、適切な対処を重ね重ねお願い致します。
感染拡大予防のため、手洗い、食品の管理など、引き続きよろしくお願いします。
夏休みに入って、海外旅行から帰って来てから、発熱や嘔吐下痢があった場合は、診察医に旅行先を伝えて下さい。亜熱帯、熱帯特有の病気の可能性もあります。ブラジルでは、昨年からジカ熱という病気が流行しております。ウイルスを保有している蚊に刺されることで感染します。感染しても症状が出ない不顕性感染になることもありますが、熱や発疹など、少しきつめの夏風邪と区別がつかない症状のこともあります。問題は、妊婦さんが感染してしまった時に、お腹の中の赤ちゃんの脳の発達が阻害されて小頭症になってしまう事です。現時点では予防や治療法がないため、妊娠している人はジカ熱の流行地へは行かないくらいしか、対策がありません。今年の夏はリオデジャネイロでオリンピックが開催されますが、この感染症を世界各地に持ち帰り、世界中で小頭症の赤ちゃんが生まれる様な事にならない様、祈るばかりです。
国内外問わず、海、川、山のレジャーは、十分にその危険性を下調べして、安全に思い切って楽しんで下さい。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生