教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
2019年9月『RSウイルスについて』
大雨で被害を受けた佐賀県の方々にお見舞い申し上げます。
お盆の台風に対しては心の準備をしたのですが、8月最終週にこの様な大雨がくるとは正直思ってもみませんでした。夜が明ける前など、暗いうちに急激に浸水すると、避難すべきか待機するか、非常に判断に迷った事だと思います。
 8月の第4週までは、ヘルパンギーナや手足口病、発熱だけの夏風邪が主でしたが、第5週から、RSウイルス感染症の患者さんが多くなりました。RSウイルス感染症に対しては、インフルエンザと違って、ウイルスの増殖を抑える様な特効薬がなく、主として、鼻水と咳と、微熱~高熱と幅のある発熱がみられ、発病して4日目前後に症状が最もひどくなります。成人(学童以上)が罹患すると、鼻の奥と喉がつながっている辺り(上咽頭)の痛みがあり、床に垂れそうな鼻水と、咳が特徴的です。高熱も出ず、徐々に症状が軽快する場合には抗生剤を飲む必要はありません。鼻水や痰が黄色~黄緑になり、二次的な細菌感染として(鼻)副鼻腔炎、急性気管支炎、急性中耳炎を起こした時は抗生剤の処方を検討します。内服の抗生剤でもそれらの症状を抑える事が出来ない場合や、細菌感染は起こさなかったけれど、RSウイルスそのものの気管支~肺へのダメージが強くて自力で呼吸ができない場合、または呼吸障害は強くないけれど感染症によって飲み食いが十分に出来なくなった場合は入院が必要となることがあります。
 生後3か月未満のお子さんのRSウイルス感染症は要注意です。鼻水が鼻腔に貯まって鼻呼吸が出来なくなり、無呼吸を起こし、最悪の場合、生命の危険にさらされる可能性が他の時期のお子さんよりも高くなります。ですので、自分のお子さんがRS感染症にかかった場合は、可能な限り生後3か月未満のお子さんには近寄らせない様にお願い致します。
 インフルエンザと違い、RSウイルス独自の欠席の法律はありません。解熱して、咳がある程度治まり、飲食が通常並みに出来る様になってからの登園を検討下さい。登園時期を迷う場合や咳が長く続く場合は主治医にご相談下さい。
 
胃腸炎も少しずつ出てきています。ほとんど一般的なウイルスが想定されていますが、中には細菌性の物を疑わせるケースも散見されます。暑さのピークは過ぎましたが、梅雨時と同じで食品が傷みやすい時期です。保管や調理器具の点検をどうぞよろしくお願い致します。
インフルエンザAもBも、特定の場所で少しずつ散発しておりますが、大流行とまでは至っておりません。新学期も始まりましたので、これから流行する可能性も完全には否定できません。どうか、RSウイルス、百日咳と同様、うがい、手洗い、時々「あいうべ体操」、規則正しい生活を心がけて頂きたいと存じます。

 運動会の準備が始まる頃かと思います。天候も色々変動するかもしれませんが、皆さんお揃いで楽しい運動会が迎えられる事をお祈り申し上げます。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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