教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
園医のつぶやき その4 「咳について」
秋、来ているかな~?と願いながら書き始めておりますが、残暑厳しそうですね・・・。
さて、今回は咳について考えて行きたいと思います。大きく分けて、呼吸器(鼻~のど~気管~気管支~肺胞(はいほう))に原因がある場合と、呼吸器以外に原因がある場合に分けられます。大人ですと、呼吸器以外の原因として、胃食道逆流症(GERD)や心因性(≒ストレス)も考えないといけませんが、子供の場合は、呼吸器自体に原因があることが多いです。
呼吸器に原因がある咳で、アレルギー性のものは別の機会にして、今回は感染症に伴う咳を考えて行きたいと思います。
百日咳は、かぜ症状で始まる1~2週間のカタル期を経て、無治療だと激しい発作性の咳に変化する痙咳期に移行します。カタル期に治療を始めれば間に合いますが、百日咳毒素の回った痙咳期に入りますと、治療に難渋してしまいます。予防にはワクチンが有効ですが、一部ワクチン接種者にもかかることがあり、その際は非典型的な症状となります。乳幼児の病気と思われがちですが、成人でもかかる場合があります。
マイコプラズマ感染症も咳がでやすい病気です。非常にユニークな性質(増殖速度が遅い、菌そのものの毒性は強くない)を持っている細菌で、肺炎、または肺以外に病気が起こったりすることがあります。発熱や肺炎は感染した人にすべておこるわけではなく、感染した人の免疫状態に左右されやすい、という傾向があります。昨年から流行しており、早めに治療を開始しても、従来使用していた抗生物質が効きにくくなっているため、一部の方で高熱が続き、肺炎まで起こしたりして、悩ましい状態になっております。
他にRSウイルスやライノウイルスも咳、鼻水、無呼吸、喘息様症状など見られ、特に乳児で重症化しやすい傾向があります。
ここで、お願いです。お子さん、親御さんかかわらず、3日くらい咳が続いて治りそうにない場合(最大に譲歩して1週間)は、一回医療機関を受診されてください。時々、「1ヶ月咳が止まりません」とおっしゃられて来院される「おとなの方」がおられますが、治療開始の適切な時期を逃し(2週間過ぎると薬が効きにくい)、さらに他の人へ感染させてしまっている可能性(結核だったら相当大変)があります。どうか咳が数日治らない場合は、早めに受診されてください。
行楽、運動会シーズンの秋を、お互い楽しく過ごせると良いですね。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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