教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
5月園医さんのつぶやき 「健康診断ですね!」
 5月のGWが明けますと、健康診断に伺います。健康であるかどうかを拝見させて頂くことはもちろんですが、お子様方の成長を評価することも大切な目的となっております。
まず身長です。ワンポイントで高いか低いかということよりも、1年間でどのくらい伸びたかどうかが大切です。標準の伸びに比べて、短時間で急激に伸びた場合には、思春期早発症などの病気の可能性もありますし、伸びが鈍くなった場合には成長ホルモン分泌不全などの病気の可能性もあります。それぞれ確率は非常に低いのですが、見逃したくない病気です。年少さんにつきましては、入園以前の情報を照らし合わせて、ということが物理的に難しいので、入園時の身長が年齢の平均値より2~2.5標準偏差以上離れている場合は、低身長、高身長とお伝えする場合がございます。標準より高い、低いというのは、殆ど病気ではなく体質性ですが、見逃し防止のためにお伝えしております。どうかご了承下さい。
次に体重です。身長と比べて軽すぎる場合は栄養の不足がないか、重すぎる場合は食べ過ぎていないかどうかチェックさせて頂いております。こちらも体重の変化が急激に起こっている場合には精密検査が必要になることもまれにあります。かかりつけ医または栄養士さんに相談されて、適切な食事が摂れているか、何か病気が潜んでいないかチェックしましょう。
皮膚の問題もよく見受けられます。アトピー性皮膚炎とは、慢性的に続く「湿疹」のことを言うので、1回の診察だけでは湿疹なのかアトピー性皮膚炎なのか、はっきり区別をつける事が困難なケースも多々あります。もちろん典型的な症状がそろっている時はアトピー性皮膚炎と診断させて頂いております。治療の基本は、規則正しい生活、環境衛生の保持、スキンケア、それでも改善が見られない場合は適切なステロイド等の外用となっております。詳しくは別の機会にお話しさせて頂きます。
最後に行動面です。落ち着きがない、集団行動がうまくとれないなどは、最初は致し方ないですが、入園して半年~1年経ってもなかなか難しい場合は、担任の先生からお話があるかもしれません。お子さんの長所を伸ばすために必要な手段がないか、一緒に考えていきましょう。
以上、簡単にお話しました。健康診断内容について疑問に思われたら担任の先生経由で、ご相談頂いても結構です。詳しく調べる必要があるかどうかは、かかりつけ医と良く相談されてください。よろしくお願い致します。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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