教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
園医さんのつぶやき 11月号(その102)「感染性胃腸炎について」
皆様こんにちは。今年の秋は例年よりも早めに冷え込んできたせいか、季節の変わり目の風邪をひいている方が少し増えている様です。今回は以下のお話しです。
【感染性胃腸炎(別名;嘔吐・下痢、お腹の風邪)】
お腹をこわしているお子さんが少しおられます。例年11月はノロウイルスに気を付けなければいけない時期ですが、皆さんの衛生的な生活のお陰で今のところ流行はしていません。しかし、油断は禁物ですので、一般的なお話を致します。
【嘔吐した時は適度に胃腸を休めて、少しずつ水分補給してみましょう】
1回大量に嘔吐した、または数回少量ずつ嘔吐した場合、手持ちに制吐剤(ナウゼリン坐薬)があれば、使用してみましょう。30分くらいしたら効果が出始めるので、一口ずつ水分を飲ませて下さい〈嘔吐する以外に「とてもお腹を痛がっている」「呼びかけに反応がない」場合は、嘔吐した量や回数にかかわらず、医療機関に受診しましょう〉。
水分摂取を始めて嘔吐しなければ、消化の良い食物を摂り始めても良いでしょう。
〈もし、制吐剤を入れても全く嘔吐が止まらない場合、または嘔吐は止まったけれど2食連続でまったく食事ができない場合も医療機関に受診しましょう〉
【消毒方法】
コロナウイルスはアルコールで消毒できますが、ノロウイルスにはアルコールは効果がなく、次亜塩素酸ナトリウム(ミルトンやハイター)を用います。
使用時にはゴーグルまたはメガネ等で眼の保護を、ビニールエプロンなどで自分の服の色落ちを防いで下さい。原液を用いると濃すぎるので希釈します。床、衣類、トイレの消毒には0.1%の濃度で、おもちゃ,調理器具,直接手で触れる部分などの消毒には0.02%の濃度にします。金属は腐食するので、最後に水拭きして下さい。
ペットボトルで消毒液を作成した際は、残液は乳幼児が飲まない様に一旦は、安全な場所に一時保管するか速やかに廃棄して下さい。殺菌(ウイルスの不活化)作用が落ちますので、長期保存しないで下さい。
次亜塩素酸ナトリウムによる消毒液の作り方は下記を参考にされて下さい
http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/uploaded/attachment/120207.pdf
【インフルエンザ・インフルエンザワクチン・新型コロナウイルス感染症の動向】
福岡県内10月25日の時点で10週間連続インフルエンザ患者さんの報告はありません。インフルエンザワクチンは報道のせいで、10月に接種希望の方が殺到したため、流通が不安定になり、文字通り「そうは問屋が卸さない」状況になっています。皆様、どうか落ち着いて行動して頂く様お願い致します。新型コロナウイルスも福岡県内では、今のところ検査陽性率が1%を下回る状況が続いています。今後の見通しは難しいですが、これまで通り一定の予防策を心がけて頂ければ幸いです。
 楽しい11月を過ごされますようにお祈り申し上げます。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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