教育改革の推進
健康管理
園医さんのワンポイントアドバイス
幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
2019年8月「咳続いたときは要注意!」
梅雨明けしましたが、久留米、鳥栖を中心に7月21日に豪雨あり、大変でした。宗像地区も何時豪雨に見舞われるか分かりませんので、準備を怠らない様に致しましょう。先月は咳が続く病気が流行しました。主だった病気としましては百日咳、マイコプラズマ感染症、RSウイルス、ライノウイルス、ヒトメタニューモウイルスなどがあります。3日以上咳が続く場合は一度受診して頂き、それでも咳が軽減しない場合は、再度受診して頂く様にお願い致します。百日咳ワクチンは3種混合ワクチンと4種混合ワクチンに含まれていますが、小学校に入る前後で免疫が落ちてしまう方が少なくない事がわかっています。ワクチン接種したお子さんや、大人の方の百日咳は、普通の風邪と区別がつかない始まり方をして、最初はあまり重症感がありませんが、徐々に咳き込みが強くなっていきます。1週間までは抗生物質の投与が間に合いますが、2週間を過ぎると抗生剤を投与しても効果が期待できなくなります。迅速診断もありませんし、咳が1~2か月続くと結核も鑑別診断しなくてはいけなくなりますので、早めの受診をお願い致します。
やけど=熱傷についてです。やけどはⅠ~Ⅲ度に分類された深さと、体表面積のどの程度の割合を受傷したのかの面積で重症度が決まります。お湯の場合は摂氏100℃以上にはならず、服をきていない部位の表面をさっと流れていった場合には、あまり深い熱傷にはなりません(Ⅰ度~浅いⅡ度)。しかし火災や油が絡んできますと、炎の温度は1000℃以上になりますので、短時間で深い熱傷(深いⅡ度~Ⅲ度)になり、衣服に燃え移った場合は面積も広く、生命を脅かす状態になります。埃っぽい部屋でのコンセントの差しっぱなし、古い扇風機の使用、たばこの火や花火の不始末、調理のガスを点けたまま長電話など、お互いに気をつけましょう。
夏本番を迎えました。残暑も厳しくなるかもしれません。こまめに、バランスの取れた水分、塩分、糖分の摂取を心がけましょう。とにかく無理をしない様に、気分が悪そうにしている時は、屋内屋外かかわらず、涼しく風通しの良い場所に移動し、それでも回復しない時には救急車を呼ぶ事も考えて下さい。
今なおスポーツ界に根性論を持ち出す方が少なくない事に、本当にがっかりしています。その年齢の平均的なスピードを遥かに上回るボールを投げられるのは素晴らしい事ですが、その分、肘や肩に数倍から数十倍の負荷がかかります。もともと、人の腕は上から下に物を投げるための造りをしていません。とても理想的な投球フォームで、柔軟性も兼ね備え、中4日以上あけて投げて、試合前後のケアを入念に行っていても、トミー・ジョン手術が必要になる投手が少なくない事が、皮肉にも、いかに利き腕の肘の内側側副靭帯周辺に大きな負荷がかかっているか、の証明になってしまっています。どうかくれぐれも、お子さんに無理させないで下さい。
それでは色々お気をつけて、8月めいっぱい楽しい夏休みをお過ごしになりますようにお祈り申し上げます。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生