教育改革の推進

健康管理

園医さんのワンポイントアドバイス

幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
2018年9月『成長期の靴選びについて』
いつ涼しくなるのでしょうか?と、ため息をつきたくなりますが、蝉の声は止み、夕方には秋の虫の声が聞こえる様になりました。台風20号は、九州地方にはそれほど大きな影響はなかった様ですが、この後も次々と台風が発生する可能性がありそうで、災害に備えて行きたいところでしょうか。
 宗像地区は散発的?にインフルエンザの患者さんが成人を中心におられ、時々そのお子さんがかかっている様子です。これから本格的な流行になるかどうかは難しい予測になりそうですが、注意深く見守っていきたいと思います。
 先日、日本外来小児科学会が東京で開催され、病気の話や子育ての話で、時代を先取りしている講師の方々のお話を聞いて参りました。その中で、病気に直接関係なさそうに思えるけれど、生活に密接に関係している「靴」のお話がありました。成長期の靴選びはとても難しいですね。
きつめのサイズですと、外反母趾や足の指先の炎症を起こしてしまいます。一方で、2~3cmも大きい靴を選ぶと、靴の中で「前すべり」が起きてしまい、靴の中で指先を必要以上に曲げて、負担のかかる歩き方になり、ふくらはぎや足が痛くなって整形外科を受診してしまうお子さんもおられる様です。中敷きが取り外せるタイプが観察しやすいのですが、かかとをしっかり合わせて、つま先から7~10mmの余裕がある状態が良いようです。5mm以下だときつく、15mm以上あると前すべりの危険性が出てくる様です。
靴の種類も大切な要素です。理想は「ひも靴」ですが、就学前のお子さんには現実的ではないかもしれません。手を使わずに「スポッ」と履けてしまうものは、脱げやすく緊急避難の際に何度も脱げてしまった事例があり、あまりお勧めではありません。最低、ベルトが付いている靴で、かかとをトントンしてキッチリ合わせて、手前のベルトをしっかり締めてズレないようにし、つま先側はほんの少し余裕を持たせる様に出来る物がより良い様です。
イタリア、フランスはファッション優先の靴作り?(持っていないので、確信はありませんが・・・)と言われていますが、ドイツは機能優先の靴作り、靴合わせだそうです。買い替えに来たら、店員さんが今履いている靴の状態を観察して、足の長さと足の幅の測定を行い、お子さんはプレイルームに行って遊んでいる間、30~60分かけて保護者とお店の人がどういう靴が相応しいか検討後、購入するそうです。
日本はランドセルに非常にお金をかけるけれども、靴は素材や機能性に関して深く考えず、お子さんの好きなキャラクターで選んでいる場合もあるように思われます。日本でドイツの方法をそっくりそのまま真似をするのは困難が伴いますが、正しい靴選びが出来ているかお子さんとしっかり話し合って、運動会で心置きなく走れる様に、お祈り申し上げます。
なお、登山好きな方には、イロハのイの内容かと思われますので、どうぞお気を悪くなさらないで下さい。なお、御興味ある方は、「吉村眞由美」先生のお名前と「靴」で検索されると、著作や講演依頼の方法もHP上で閲覧できます。参考までに。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生
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