教育改革の推進
健康管理
園医さんのワンポイントアドバイス
幼稚園の園医さんによるワンポイントアドバイスをご紹介します。幼稚園園医 宮原小児科医院 宮原道生先生です。
園医のつぶやき その1
夏の気配を感じる季節となってきました。ゴールデンウィークを過ぎると、インフルエンザやロタウイルスなど、冬から春にかけての定番の病気は減ってきています。しかし、陽が昇るのが早くなり、気温の変動もあり、生活リズムや体調をくずしやすくなる時期です。テレビやゲームでの夜更かしを避け、なるべく毎日同じ時間に眠るよう習慣づけましょう。そしてバランスのとれた食事を摂るように心がけましょう。睡眠と食事にまさる健康法はございません。
これから夏場を中心に流行するウイルス感染症の最右翼に挙げられるのが、エンテロウイルスです。エンテロウイルス属だけでも90種類以上あり、コクサッキーA、コクサッキーB、エコーウイルス、エンテロウイルスの4種類の血清型にわかれます。エンテロウイルス感染症で、有名なのは手足口病、ヘルパンギーナなどがあり、見た目が典型的であれば、比較的分かりやすいのですが、大半は「熱だけ」(=非特異的熱性疾患といいます)で、発熱をきっかけに気づかれる他の病気(溶連菌、中耳炎、腎盂腎炎など)との見分けが必要となりますが、他の病気ではないという、除外診断の形により診断されます。
エンテロウイルスでおこる病気の一つに、無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん)があります。①発熱、②頭痛、③嘔気または嘔吐、の3つの症状が主ですが、がまんできないほどの頭痛や、首が曲がりにくい(項部硬直)、膝を抱える姿勢をとりにくい(ケルニッヒ徴候)などがあると、強く疑われます。根本的な治療はありませんが、食事や水分の摂取が不十分となる場合は、入院することがあります。
かぜ(=ウイルス疾患)は万病のもと、と言われますが、エンテロウイルス感染をきっかけに重症の病気、脳症や心筋炎になる場合もごくまれにあり、油断ができません。疲れやすい時期ですので、規則正しい生活、バランスのとれた食事を心がけて、楽しい夏休みを迎えましょう。
<園医>宮原小児科医院 宮原道生先生