教育改革の推進

健康管理

栄養士さんのワンポイントアドバイス

第3回 『ゼラチンと寒天とアガー』について
 5月の給食の新メニューに「カクテルゼリー」というのがありました。4種類のゼリーにみかんを加えた目にもきれいな冷たいデザートでした。この「ゼリー」というのは名ばかりで「寒天」で果汁を固めたものでした。ほとんどの子どもが喜んで食べてくれましたが、口当たりの固さに戸惑う子どももいました。
 「ゼリー」を作るゼラチンは豚や牛の骨や皮から作られる動物性のたん白質です。固まる温度は15~20℃なので冷蔵庫に入れて冷やし固めないといけません。また、20~25℃で溶け出しますので、夏場には注意が必要です。
 それに対して「寒天」はテングサ(天草)やオゴノリという海藻から作られて80%以上が植物性食物繊維です。35~40℃(常温)で固まりますので、手早く調理しなくてはなりません。しかし85~90℃にならなければ溶け出すことはありません。
 同じような使い方をするものに「アガー」があります。「○○アガー」という商品名で売られています。アガーも寒天と同じく海藻から作られていますが、ツノマタ・スギノリという海藻から作られています。
 寒天はコリコリとした食感ですが、アガーはゼラチンのようなツルンとしたやわらかい食感です。すなわちアガーは寒天の長所(凝固温度が高い)とゼラチンの長所(のどごしがよい)を持ち合わせています。しかし、水に溶かす時に「だま」になりやすいという欠点があります。
 ところで、今は「とろ~り○○」とか「口どけなめらか○○」などと言う歌い文句で溶けるようにやわらかい食品が主流となっています。しかし、寒天はゼリー状に固まることで100倍もの水分を食物繊維の網の中に包み込みます。その上、大量の食物繊維が腸を活性化させるので便秘を解消し、糖と脂質の吸収をゆるやかにします。
 これからの暑い季節、ノンカロリーの「寒天」に注目してみませんか。
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