教育改革の推進

健康管理

栄養士さんのワンポイントアドバイス

第8回 栄養士さんのつぶやき「噛むこと」
「噛む」こと
 夏の太陽の恵みを受け、今年も実りの秋を迎えました。新米、新芋、新豆など、秋はたくさんのものを収穫することができるうれしい季節です。
 さて、そんなおいしいものをいただく時にこんな子どもさんはいませんか?ご飯などをよく噛まずに汁と一緒に飲み込む、口を大きく開けられない、噛む回数が少ない、噛みきれない。また、プリンやアイスクリーム、スナック菓子などのやわらかく口当たりの優しいものばかり食べる。思い当たることはありませんか?
 よく噛まないといけない理由は次の通りです。①食べ物の味がよくわからなくなる。②噛む力がますます弱くなる。③虫歯になりやすい。④あごの発達が遅れて歯並びが悪くなる。⑤言葉がはっきり発音しにくくなる。
 では、なぜ噛むのでしょうか?噛むことにより、唾液と食べ物を混ぜ合わせて飲み込みやすくしたり、消化しやすいようにちいさくします。更に、胃液、すい液などの消化液の分泌を促し、間接的にも消化を助けます。噛むことは消化の第一歩となります。
 また、歯は食べ物を砕き、その食べ物は歯を磨く役割を果たします。さらに、噛むことにより唾液がたくさん出て、口の中をきれいにします。
 その他にも、噛むことにより少量でも満腹感が得られ肥満予防にもなります。噛むことは脳の発達にも大きく影響を及ぼすとも言われています。
 しっかりと噛める子どもになるためには、少しずつ歯ごたえのある食事に変えていきましょう。硬さが増すほどに、噛む回数が増えていきます。例えば、カレーやシチューに使う具材を一回り大きめに切ったり、加熱時間を短くして野菜の歯ごたえを残した仕上がりにしてみましょう。
 次に、歯の検診も大事です。虫歯があると硬いものは噛めません。早めに治療をして下さい。
 最後に、食事をゆっくり食べる雰囲気作りをしましょう。時間があれば何回も噛むことができます。本を読みながら食べたり、テレビを見ながら食事をすることは、しっかり噛まないばかりか、食材のうまみを味わうこともできません。
 よい食習慣は一生の宝物です。よく噛んでおいしく食べることが子どものうちに身につけば、心にも身体にも栄養満点だと思います。
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